鳥取県  
  県木:ダイセンキャラボク
Taxus cuspidata var. nana
県花:二十世紀梨
 Pyrus serotina var.culta  
 
杜(森)の話    
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  熊の生態in鳥取    市町村花見  
  乾布摩擦で木を鍛える      
  花粉症もここでお参りすれば      
  柿の葉寿司は山の知恵      
  コトの日      
  ヤナギin鳥取      
  身が松葉      
  砂丘の植生      
海岸防災林の工種      
         
鳥取の動物シリーズ
熊の生態in鳥取
鳥取の猟師は知っているんです。山にブナ(Fagus crenata )の実が大量になると、熊は里に下りないとのこと。また、翌年の春は、いつもより3週間ほど早く穴から出てくるということ。

ちなみに、春先の熊撃ちは、ブナの巨木の近くで待つそうです。なぜなら、冬眠からさめた熊は、ブナの木の根本に貯まっているブナの実を一生懸命食べるとのことで、そこをズドンと一発で仕留めます。


 
乾布摩擦で木を鍛える
智頭林業は、日本を代表する林業地帯の一つ。スギを襲う一つにスギカミキリ虫がいます。この対処方法の一つに乾布摩擦があります。スギの樹皮を剥いで薄くします。すると、風邪を引かないというか、抵抗力がつくということで、カミキリムシから身を守るとか



花粉症もここでお参りすれば
鳥取県の有名な林業地である智頭林業
ここに杉神社があります。

スギの精霊を奉っているんです。だから、ここにお参りすれば、花粉症から解放されるはずです。

周りが花粉症なんで自分も花粉症と思いこんでしまっているなんちゃって花粉症の人も、本当の花粉症の人もここにくれば大丈夫のはずです。

こういった神社はさすが日本的と思うのです。




柿の葉寿司は山の知恵
智頭、ここは林業の盛んなところ。それ以上に奈良が有名な柿の葉寿司。その柿の葉寿司のルーツはここのようです。

どの家にも柿の木があり、柿の葉の持っている殺菌作用を利用していたんです。その代表が、柿の葉寿司

青々とした柿の葉と、山椒の実や葉、塩付けしたマスを使います。もちろんご飯は、酢飯。重しをして空気を抜くことで、夏場で3日持つそうです。

マスを細かく刻んだモノをご飯に混ぜると、こけら寿司
木杓子でおこした姿が木くず(こけら)に似ているとのこと。柿の葉寿司のルーツとか

鳥取の方から違うよという指摘がありました。殿様が参勤交代の途中で知ったとかで、吉野の方が本場とかでも、鳥取の郷土研究家で信じている人もいますので、吉野のカキの葉寿司はサバを用います。


コトの日
場所によって違うのですが、2月から4月に入ってからの1日をコトの日といって、神棚に供物をして、そのお下がりをちょこっと頂いてから、残りを藁苞に入れます。
その両端に細縄を取り付けます。

ヤナギもしくはクリで出来た箸を全員分作って供物を食べます。その後、梯子のように、箸を細縄に挿して、カキノキに吊すのです。

縁起の良い河豚を食べて、そのアラをつるす集落もあるそうです。


ヤナギin鳥取
ヤナギにまつわる迷信(?)
◎枝の下がるヤナギがあると出世する
◎引っ越しの時にヤナギの枝を神前に立てると縁起がよい
◎ヤナギの木のある家では、家の誰かが女難に遭う
◎ヤナギの大木のある家では大酒飲みが生まれる
◎ヤナギのある家には美男美女が生まれる。
◎ヤナギのある家には美男美女が生まれる。しかし、胸の病になる。


身が松葉
冬を代表する食べ物といえば蟹蟹蟹。
松葉蟹(山陰地方)と越前蟹(北陸地方)、ずわい蟹:楚蟹、間人蟹(丹後半島)、タラバガニ:鱈場蟹(秋田県)
その理由は、身が松葉のようになるから。
冷水につけたり、しゃぶしゃぶすると、松葉に化けるからなんですって。

ちなみに、これらの名前は♂の名前。♀は、山陰地方で親蟹、せこ蟹、こっぺ蟹、北陸地方でせいこ蟹、こうばこ蟹、こうばく蟹というんだそうです。


砂丘の植生
合弁花植物(双子葉植物)
キク科 かわらよもぎ
河原蓬
Artemisia capillaris
いそぎく
磯菊
Chrysanthemum pacificum
はまぐるま
浜車
猫の舌
Wedelia prostrata
ハマウツボ科 はまうつぼ
浜靫
Aeginetia indica
ゴマノハグサ科 うんらん
海蘭
Linaria japonica
とうていらん
洞庭藍
Veronica ornata
クマツズラ科 はまごう
浜栲
蔓荊
Vitex rotundifolia
ムラサキ科 すなびきそう
砂引草
Messerschmidia sibirica
ヒルガオ科 はまひるがお
浜昼顔
Calystegia soldanella
離弁花植物(双子葉植物)
セリ科 はまぼうふう
浜防風
Glehnia littoralis
アカバナ科 おおまつよいぐさ
大待宵草
Oenothera glazioviana
スミレ科 あつばすみれ
厚葉菫
Viola mandshurica var. triangularis
ハマビシ科 はまびし
浜菱
Tribulus terrestris
マメ科 はまえんどう
浜豌豆
Lathyrus japonicus
こまつなぎ
駒繋ぎ
Indigofera pseudotinctoria
バラ科 はまなす
浜茄子
浜梨
Rosa rugosa
かわらさいこ
川原柴胡
Potentilla chinensis
アブラナ科 はまはたざお
浜旗竿
Arabis stelleri var. japonica
ナデシコ科 まんてま Silene gallica (?)
単子葉植物
カヤツリグサ科 こうぼうむぎ
弘法麦
Carex kobomugi
こうぼうしば
弘法芝
Carex pumila
はたがや Bulbostylis barbata
びろうどてんつき Fimbristylis sericea var. cyclocarpa
イネ科 けかものはし
毛鴨の嘴
Ischaemum anthephoroides
おにしば
鬼柴
Zoysia macrostachya
てんきぐさ
浜大蒜
Elymus mollis
はまにがな
浜苦菜
Ixeris repens
裸子植物
マツ科 くろまつ
黒松
Pinus thunbergii
はいねず
這杜松
Juniperus conferta

海岸防災林の工種
 鳥取県で行われている海岸防災林の作り方。

1.堆砂工
 海側から送風される砂を堆砂垣によって捕捉し、抑留し、その前後に対ささせて、人工砂丘を作る方法。
 堆砂垣には、粗朶垣、簀垣、板垣等があるが、竹簾垣を使うのが主流。
 最高潮線から50m以上の所に、海岸に平行(主風に直角)に、築設する。最初に、陸側に作り、順次海側に堆砂垣を作る。


堆砂垣の施工順序

堆砂垣の大きさ
2.静砂工
 内陸に移動する砂を抑留し、植林する苗木を保護するために行う。

堆砂垣に準ずる(深さ70cm、径7cm)
高さ100cmの場合は、間隔は20m四方。50cmの場合は、10m間隔で設置するのが基準となっている。
3.植栽
 堆砂垣→静砂垣の順に作業が終わると、静砂垣のマスの中に樹木を植栽する。
 植栽の樹木の条件は
@養分、水分に対する要求が少ないもの
A飛砂、潮風及び寒風などの害に良く耐え得るもの
B風に対する抵抗力の強いもの
C温度の急激な変化によく耐え得るもの
D病虫害に強いもの
E鬱閉を保ち、落葉・落枝等によって地力を高めるもの
F生活環境や風致の保全、創出に適しているもの

 海岸側には、草を植栽する。直根が砂中深く伸ばすか、地下茎で繁殖するものを選ぶ。候補として、ゴボウムギ、ケカモノハシ、ハマニンニク、オニシバがある。
 昭和34年(1954年)から、アメリカンビーチグラスを導入

ヘクタールあたり1万本
客土は砂とよく混ぜる
施肥は、固形肥料を苗木1本あたり30〜60gとし、苗木から10〜20cm離れた場所に5〜10cmほどの深さに置く。
埋め藁は、植栽苗木の列間に平行に溝(幅、深さともに20cm)を作り埋め込む。
盾藁は、主風の方向に苗木の15cm前に藁の中央部を折り曲げて、埋め込む。
砂表面全体にマルチングのため、藁を敷く。敷き藁は、藁の根元と穂先が10cm程度重なるように敷き、風で飛ばないように砂で一部を覆う。


4.浸食対策
 山地の荒廃地復旧や河川の整備で、海に流れ込む砂の量が減り、沿岸漂砂の供給が難しくなってきており、堆砂垣による人工砂丘が作りにくくなってきている。この結果、海岸線が後退することで、植栽木が潮風によって成長が阻害される結果となる。
 このため、海岸と植林地の間に土塁を設置し、堆砂垣による人工砂丘から人工の土塁に転換させる。

 また、防潮護岸工をおこない、波浪による浸食を低減させる。