カウリマツ
ラジアータパイン
森林の推移 
ネピアは都市名
産業用樹種の展示林
南島のワイン畑でウメェ〜
国のシンボルは、シダの葉
ユーカリ造林はダメ?
ナポレオンの柳
       
 
カウリマツ
北部ニュージーランド島にある南洋スギの仲間
Agathis australeという木
すごい木になると、直径6m、樹高50mに

マリオ族は、この木の樹脂を燃料に利用。そして、この煤を入れ墨に利用してきました。
今は、あまり見かけなくなったんですが、その理由は、マオリ族と入植者が、この木を伐採して材に利用したため。今では、自然の形である木はほとんどないとか
マオリ族は戦闘用のカヌー(木を刳り抜きました)に、ヨーロッパから来た人達は、家屋や家具、帆船のマストに利用されました。

とどめは、19世紀後半にヨーロッパでカウリ材に人気が出て乱伐、そして山火事が追い打ちを
1930年代になると、資源の枯渇と、木造船から鋼鉄船に変わり、需要が無くなったため、ブーム終了。

ニュージーランドの北島にあるワイポウア森林保護区には、数千年の樹齢を持つ木が存在していて、そのビック3は、タネ・マフタ(森の神)、テ・マトゥア・ナヘレ(森の父)、ヤカス(発見者の名前)だそうです。
 

当時の伐採風景はこちら 
   



タネ・マフタ(森の神)ワイポウア森林保護区
幹周り13.77 m 樹高51.2 m
人と木の間に5m以上離れています。


 


46年生のラジアータパイン
ロトルアのRedwood Forest内の売店にて


  ラジアータパイン
ニュージーランドの造林木といえば、ラジアータパイン(Pinus radiata)。もともとは、1860年代頃から農家の防風林として植えられるようになったのです。

でも、荷造り箱や建築にも用いることが可能だったので造林が行われるようになったのです。

1901年(明治34年)には、受刑者に植林をさせたんです。人件費タダというやつ。生育がよかったので、20年ほど続いたそうです。


森林の推移
2000年の報告では国土の29.7%が森林のニュージーランド、でも、1984年では26.8%。増加したんです。
1350年には国土の75%が森林。マオリ族がやってきた頃です。25%というのは、沼、湖、湿地、そして高地の岩石地帯。
ヨーロッパから本格的に移民がきだしてから66%に低下。1850年には53%、そして1900年には25%まで減少したんです。

100年間で国土の半分50%が農地に転用。用材、燃材の心配はなし。森がいっぱい、気にする必要はなしで、イケイケどんどんと農地にしていったんです。

しかし、気がつくと、局所的に土地の浸食、河川の荒廃が見えてくると、天然林の生長が思った以上に遅いこと。更新に時間がかかるということに気付いたんです。

北島の原生林喪失は9割に達し、1880年代の蒸気機関車の登場で、石炭を焚いた火の粉が線路周辺の森林も燃やしたとのこと。農地や牧草地にする手間が省けたとも言えますが。

1924年に森林省を設置して、森林行政を始めるのです。天然林の伐採を許可制にしたり、森林地帯の住民の移動、国立公園、保安林の指定を行うんです。

そして、木質資源の確保と失業者対策の一環で、植林を開始。1925年から1934年間に10万haに針葉樹の植林ブームが始まったのです。


 
   
 
  ネピアは都市名
王子製紙の「ネピア」は、輸出港である北島のネーピア(Napier、ネピア)からの名前。デモ、スペルは何故かnepia
王子製紙がここで、パルプ事業を始めたのがきっかけで、苫小牧市と姉妹都市なんです。

ちなみに、ネーピアには、ニュージーランド最大の国立水族館があります。
The National Aquarium of New Zealand

産業用樹種の展示林
温泉地で有名なロトロア近郊に位置するレッドウッド・フォレスト(Whakarewarewa Forest/Redwood Forest)は、広大な森林公園で、観光コースの一部に組み込まれています。(30分の散歩コースから8時間のハイキングコースまであります)
近所の人々の犬の散歩場所にも利用。なんせ、無料だから。
中には売店があって、木製品や関連書籍を販売。オークランドで買うより安く買えます。
1901年に、商業用樹種の発掘を目的に、在来種と外来種の共存の適合性を試すために実験的に作られた樹木園とでも言える広大な試験地です。


 





 


  南島のワイン畑でウメェ〜
薫り高い白ワインの産地、マールボロ。南島の北に位置する場所です。主なブドウは、ソーヴィニヨン・ブラン種。
ここのブドウ畑は、除草剤を使わない代わりに、除草をヒツジが仕事してくれるのです。雑草はヒツジに食べられ、ヒツジの毛に化けます。そして食用にも。

ブドウ作りは1973年から。水はけの良い砂利のため、ブドウにとっては育ちにくい場所。このため10メートル以上も根を張り、しぶといブドウに育つというのが特徴。

主なワイナリー
@ 名前 クラウディー・ベイ・ヴィンヤーズ
Cloudy Bay Vineyards
住所 Jackson's Rd, Blenheim
Web http://www.cloudybay.co.nz/
A 名前 ハンターズ・ワインズ
Hunter's Wines
住所 Rapaura Rd, Blenheim
Web http://www.hunters.co.nz/
B 名前 ノーティラス・エステート
Nautilus Estate
住所 12 Rapaura Rd, Renwick, Blenheim
Web http://www.nautilusestate.com/
C 名前
住所
Web


国のシンボルは、シダの葉
ニュージーランドのシンボルは、Silver Fern(シルバー・ファーン)というシダの葉。
ニュージーランドには、約85種のシダがあり、移住してきた先住民のマオリ族は、シダを食用や生活用品に利用してきました。生きていく上で、切っても切れない仲になっていったのです。

そして、光に向かって葉を開き成長するシダのコル(新葉)が、生命の息吹として崇める事に。入れ墨に使われたりしてきたんです。

今では、オールブラックスに、ニュージーランド航空、カンタベリー等々に使われています。


   
    ユーカリ造林はダメ?
ニュージーランドでは、ラジアータパインの造林は盛んですが、その一方で、広葉樹であるユーカリの造林はほとんど無い状態です。その理由は、隣国の天然林から風に乗ってやってくる害虫や菌類の存在があるからだとか。

隣国といっても、2000キロしか離れていないから?


ナポレオンの柳
南島のクライスチャーチには、沢山のしだれ柳の木があります。これは、フランスからの移民の人たちが、途中の経由地(水の補給地)であるセントヘレナ島にある柳の木の枝を持ってきて、植えたモノです。
しだれ柳(Salix babylonica)は、ナポレオンが散歩し、瞑想していた場所、ゼラニウムの谷にあった木なのです。そして、セントヘレナ島で亡くなったナポレオンは、フランスに還るまで、この柳の側で眠っていました。フランスの移民は、この木の枝を伐って、はるばるニュージーランドまで持ってきて挿し木します。

イギリスに幽閉されたフランスの英雄ナポレオンのゆかりある木を、イギリス領のニュージーランドに持ち込んだフランス移民の気持ちは、どんなんだったのでしょうね。