イタリア共和国
Republic of Italy
     
  ローマ人にとっての森とは
マラリアとユーカリとムッソリーニ
人が死んだらイトスギの一枝
ローマの緑は
香りを嗅がすな
神聖なカシワの木
バラは贅沢
最古の紙はフィレンチェに
ハゲを隠す月桂樹
薪で貧乏人か金持ちか 
  離乳食にオリーブ 
オリーブの拡大の結果、ローマ帝国も拡大
森のベネチア
タコにコルク栓
根っこでタバコ
カルボナーラは炭焼き職人向けパスタ
タコとワインのコルク栓
   
 
離乳食にオリーブ
イタリアでオリーブ(Olea europaea)は切っても切れない仲。それも生まれた時から。
オリーブオイルに含まれている脂肪酸(オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸)が母乳や体脂に似ているからだとそうです。
母乳に近い成分になるということで、粉ミルクにオリーブオイルを数滴垂らすんだそうです。特に、母乳の出が悪い人にはほ乳瓶に2,3滴垂らしてよく振って与えるそうです。

最初の離乳食と成る野菜のスープ(プリマパッパ)に数滴垂らしたり、便秘防止にほ乳瓶に小さじ1杯分を入れたりするそうです。

ちなみに、オリーブオイルは、収穫後1年未満のエクセトラバージンオリーブオイルだそうです。

日本の重湯に相当するのは、セモリナ粉、その次が、パスティナという赤ちゃん用スープパスタ。パスタから始まりイタリア人になるんです。






オリーブの拡大の結果、ローマ帝国も拡大
500種物品種があると言われるイタリアのオリーブ事情。世界で1000品種なので半分があるということ。
イタリアと言うよりローマでオリーブ栽培が定着したのは紀元前6世紀の頃からだそうです。
オリーブは、果実を搾るだけでオイルが採れるという便利な木。こんな便利な木を広めないのはもったいないと言うことで、オリーブの木を増やすために、ローマ帝国は領土を広げたんです。

ローマ帝国の広がりとともにオリーブが広がったというのが正しいと思いますが。

オリーブは植えてから5年後ぐらいから実が収穫できます。ただし、異品種2種を植えないと実が付きません。20〜30年で収穫のピークを迎えますが、500年以上生育する木もあり、長寿のシンボルとして祭られたりするそうです。



森のベネチア
森とは縁がないように見える海上都市ベネチア。しかし、森無しでは生存できない都市だったんです。もちろん交易のために必要な木造船もありますが、都市を維持するためにも森が必要。

地盤を固めるために10メートルの木を打ち付けたのです。杭として。これが行われて、初めて家や建物が建設されるんです。あの、建物の下には大量の木材が眠っているのです。

このベネチアを支えていたのが、ドロニーチのソマディーダの森=トウヒの森=資源庫だったのです。

400年間管理されてきたこの森は、北向きであまり日が当たらない場所にあるため、年輪の幅が小さい=良質の木材を産出してきたんです。今は、国有林です。

1638年には、森林管理を造船所自ら行っており、たくさんのゾーンに区分けして直径50センチ以下は伐らないというルールで持続可能な森林経営を行ってきました。いまは、ドロミーティ国立公園です。

国営造船所アルセナーゼは、規格を統一した船造りを行っており、修理が迅速というが、海洋都市国家の強みだったのです。船体は、水に強いナラノキ、柔軟な性格のあるブナの木はオールに、船のマストは、トウヒを使っていました。

古い言葉に、「木を伐採しすぎるとラグーナが汚染され、伝染病が発生する」があります。森を守ることは、都市を守ることだったんです。

タコにコルク栓
タコ好きのイタリア人。もちろん、茹でたタコを食べます。
茹で具合を見るには、ワインのコルク栓無しでは、出来ないんです。まずは、ワインの瓶か棒でタコを叩きます。
コルクが踊る程度の温度で、茹でるのがコツだとか。タコ踊りならぬコルク踊り。
強火で、ぐつぐつ煮込んではならないと言うことです。日本と違って、1時間ぐらい茹でる必要があるとか。セロリの葉や茎、タマネギ、にんじんなどをオリーブオイルで炒め、そこに水を注ぎます。
それを沸騰させた後、塩もみしてヌメリを取ったタコとコルク栓を入れます。弱火にしてグツグツ煮る。串が分厚い脚に、すっと通るようになれば完成です。下ごしらえ成功です。

茹で上がった後、ぶつ切りにしてレモンをかけて、オリーブオイルを注いでできあがり。


根っこでタバコ
このムーミンパパといえば、手にしたパイプ。黒いシルクハットだけではありません。このパイプこと、喫煙具は、木の根っこから作るんです。
この木は、標高500〜1000mに自生するブライヤ(Erica arborea)と呼ばれ、ツツジ科の常緑樹です。大体1〜3メートルの樹高の木です。この根を使って、パイプを作るのですが、難燃性という特徴が、パイプに使われている理由です。しかも固い。雨が少なく乾燥地ということで、成長がゆっくりなので、目が詰まっているともいえます。
25年〜100年を経た株の塊状のこぶ、バール(burl)を使います。元々は、コルシカ島(フランス)の農民が19世紀に身近な木であるブライヤの根を使い始めたのが、始まりとか。フランス、スペイン、アルジェリア、ギリ シャなど地中海沿岸地方でも作られているそうですが、イタリアのモノが、難燃性が高いとのこと。







お店情報
店名 Hostaria La Carbonara(ラ・カルボナーラ)
住所 Via Panisperna 214, 00184 Roma, イタリア
行き方 サンタ・マリア・マッジョーレ教会から西へ徒歩5分
電話番号 +39 06.4825176

https://www.lacarbonara.it/
カルボナーラは炭焼き職人向けパスタ
諸説いろいろありますが、ローマ発祥のカルボナーラ。
Carbonaraとは、炭焼き職人風とのこと。レストラン横で働いていた炭焼き職人用に出したことから、カルボナーラという料理名になったそうです。

塩漬け豚肉(パンチェッタ)と、黄身、ペコリーノ・ロマーノというチーズに、リガトーニというパスタを混ぜで、黒胡椒で味付けして完了。

ちなみに、発祥のお店は、1906年創業と言うことで、カルボナーラ自体は、それほど古い料理ではないと言うことです。

タコとワインのコルク栓
タコを茹でるときに、ワインのコルク栓を入れて茹でます。すると、柔らかくなるとのこと。普通は、壁にたたきつけたり、棒やワイン瓶で叩いたりして柔らかくします。でも、一部の地域では忠実にコルク栓を入れてタコを茹でます。

理由はコルク栓に含まれているタンニンが溶け出し、タコのコラーゲンを柔らかくするとのこと。

もしかしたら、ワインを入れるときにコルク栓も入ってしまい、取るのを面倒くさがっていたら、柔らかいタコになったからとか。

イタリアン風にするにはタコを茹でるときにコルク栓を入れる事で目的達成です。