ベルギー王国
Kingdom of Belgium
     
  お菓子を支える梨の木
繁栄の陰に
森で悟ったはずなのに
 
       
 
お菓子を支える梨の木
美食の国民であるベルギー。シビエ料理にビール。ワッフル等々。有名人はグルメ警視こと、メグロ警視。その中にあるお菓子「クック・ド・ディナン」

一種のクッキーで別名が「ディナンクッキー」のこと。小麦と蜂蜜だけの保存食なんです。タダ、それだけでは面白くないので、いろいろな形にするんです。鳥や魚など。

このクッキーは歯が丈夫じゃないとダメ。すなわちベルギー版の堅焼きせんべいなんです。堅いお菓子ということで、300度で焼くのです。その為の木型が湿度にも熱にも強い梨の木を使うのです。




 

    繁栄の陰に
世界で一番薄い本は、「ベルギーの歴史の本」か「ドイツのジョーク集」と陰でいわれるくらい歴史の浅い国ベルギー。

ちょっと前までは、イギリス人が貧しさにショックを受けて書いたといわれる「フランダースの犬」の世界。小さな子供が当たり前のように死んでいったそうです。

でも、そんなベルギーが豊かになったのは、チョコレートのおかげなんです。レオポルド2世が個人所有したアフリカのコンゴの存在。

ここから、カカオを仕入れては、チョコレートにしたからなんです。カカオはもちろんプランテーション経営。そこには人権も糞もなかったそうです。1885年に手に入れたんですけど、1908年にベルギーのモノに。理由はあまりにも非道だったから。


森で悟ったはずなのに
ヨーロッパにおける狩猟の神様は、聖ユベール(Saint Hubert)。その理由は、この聖ユベールが聖母マリアから受け取ったといわれる布(ストラ)の白と金色の糸をお守りにするんです。タイユと呼ばれる儀式。これさえすれば、狂犬病が完治するということ。昔は、狂犬病は猟犬から感染したことが多かったせいなのかもしれませんが。で、狩猟の神様になったんです。

でも、本当は、公爵の息子で、656年にオランダのマーストリヒ生まれ。28歳の時に家出して、アルデンヌにある親戚の別荘(離宮)で狩り三昧。しかし、ある秋の日に森の中で立派な角を持ったシカに遭遇。そのシカをゲットしようとするが、角の間から光るモノが現れ、よくよく見ると十字架が登場。
シカが一言「あんたこのままじゃ地獄行きだよ。生活を改めなさい。地獄がすぐそこまで来ているよ」と脅かされたんです。ある金曜日の朝のことだったそうです。

そしてぴたっと狩りを辞めたんです。無益な殺生はしないと誓ったんです。富も捨てて修行に励むのです。神に仕えたのでした。727年5月30日に亡くなるまで、いろいろな奇跡を起こし、死んでも16年間遺体が腐ることがなかったので、743年11月3日に聖人の仲間入りになったんです。森でシカに出会った話が民衆に受け、巡礼者がリエージュに殺到したんですけど、聖ユベールの前から崇められていた聖ランベールの影が薄くならないように、かつて修行したアンダージュ(後に聖ユベールの街:サンチュベールと呼ばれる)に遺体を移したんです。

一説には、森の狩人に無益な殺生は辞めるように説いたとか。

サンチュベール修道院(聖ユベールバジリカ聖堂Basilique St-Hubert)(リュクサンブール州)では、11月3日(St. Hubert's Day)にミサが行われ、ミサで祝福を受けたパンを食べると狂犬病から身が守られると信じられているんです。

無益な殺生をしないはずだったんですけどね。まぁ、やたらめったら殺してはいけないということなんでしょうか。