アルゼンチン共和国
Argentine Republic
     
  森林情報
タンニンとったら森無くなる
植林事情
マテ茶 
       
 
森林情報
20世紀初めには、1億ha、森林率が40%以上だったといわれているが、19世紀半ばからの農牧地の拡大で3600万ha、森林率13%となっています。残った森林は、広葉樹を主体とした疎林で、閉鎖林は3%程度の800万haとなっています。

森林の多くは、首都ブエノスアイレスの北部にあるあ、多様な気候条件によって植生も多様である。

北西部のアンデス山脈とパラグアイ川、パラナ川の間に位置する平地は低木の落葉樹林帯と、サバナで構成されている。
北東部は、南洋スギと落葉広葉樹の混交林。パンパはかつては低木林地であったが、今は一大草原となっている。パンパでは、農地、牧場保護のために、防風林、防護林としてユーカリが植林されている。

パタゴニア地方は風が強く乾燥しているため、低木林や牧羊用草地となっている。

森林が多く分布するメソポタミア地方(ミシオネス州、コリエンテス州、エントレ・リオス州)は、南洋スギ(Araucaria araucana)、Astrocedrus chilensisが優占している。
ツクマノ−オラネッセ森林の高地には、Podocarpus parlatoreiが優占している。


   
    タンニンとったら森無くなる
アルゼンチンのチャケーニョ平原(チャコ森林)には、タンニンが採れるケプラーチョ(Quebrachia spp.))が自生している。牧畜の国であるため、お肉は食べるとしても食べられない皮が残ります。この皮は革細工として利用するわけですが、細工しやすいようにタンニンでなめし処理をします。

沢山の牛に羊=大量の皮。この皮を処理するために、タンニン目的に伐採されました。

伐った後は、残材を燃やしていたそうで、草原になって牛の住処になりました。


植林事情
産業造林の歴史は1940年代から。当初は、パラナ川とウルグアイ川の三角州にポプラとヤナギを植えることから始まった。その後、ミシオネス州で、Pinus elliottiと、Pinus taedaの植林が行われた。

なお、ユーカリは1858年頃に導入され、自家用材や燃料、放牧地の庇陰、防風林目的で植えられた。


   
地域ごとの植林樹種
地域 気候
年降水量
年平均気温
樹種 生長量
m3/ha/年
輪伐期
ミシオネス州 亜熱帯性湿潤気候
1900mm
21℃
Pinus taeda
Pinus elliotti
Araucaria angustifolia
Eucalyptus grandis
Eucaluptus dunnii
35
30
18
42
42
18-25
18-25
40
7-12
7-12
コリエンテス州 亜熱帯性湿潤気候
1200mm
21℃
Pinus taeda
Eucalyptus grandis
35
38
18-25
8-15
エントレ・リオス州 亜熱帯性湿潤気候
1200mm
21℃
Pinus taeda
Eucalyptus grandis
35
38
18-25
8-15
パラナ川
デルタ地帯
800mm
17℃
Populus deltoides 22 12
ブエノスアイレス 温暖
900mm
17℃
Populus deltoides
Eucalyptus globulus
Eucalyptus dunnii
Eucalyptus viminalis
Eucalyptus tereticornis
22
30
30
25
25
12
10-15
10-15
12
12
南部 亜湿潤気候
200-1200mm
8℃
Populus ponderosa
Populus nigra
Populus euroamericana
18-25
29
29
35
12
12

植林コスト(2000年頃)
地方 樹種 ha当たり haの地価
メソポタミア マツ
ユーカリ
900
500

150-700
パンパ ユーカリ 650 490-1200
デルタ ポプラ 940 80-200
パタゴニア マツ
ポプラ
600
1480
50-300
500-1000
                      (ドル)





マテ茶協会

  マテ茶
世界三大飲料の一つといわれているマテ茶。珈琲、紅茶(中国茶・日本茶)、マテ茶という位置づけなんでしょう。南米を中心に飲まれている飲み物で、肉中心の食生活なのにこれさえ飲めばOKというミラクルな飲み物。

これは、グラニー族の飲み物を、教会運営の一環として栽培し広がっていった功績かもしれません。その教会が、アルゼンチンのミシオネス州にあるサン・イグナシオ教会。イエズス会の南米侵略の拠点。

マテ茶は、イグアスの滝周辺を原産とするモチノキ科の常緑喬木のマテノキ(Ilex paraguariensis)の葉っぱを乾燥させた物で、緑茶といった焙じ茶の2種類があるんです。