持続的熱帯林経営を計測するための基準

(19923月、ITTO11回理事会)

熱帯林と持続可能な経営

持続可能な経営とは、永久林地の経営方法であって、それにより、望ましい林産物や森林の恩恵を連続的に生産することに関する明確な森林経営目的の、1つ又はそれ以上を達成することにある。その際、森林の有する本来備わっている価値や、将来の生産性を過度に低下させてはならないし、物理的、社会的環境に対し、過度に望ましくない作用を与えてはならない。

持続性の基準

以下の基準と指標例のリストは、完全なものとか、唯一のものというものではない。さらにこれらの指標例を持続性、あるいは達成程度を設定するために、全て測定する必要があるという事でもない。強調しておきたいことは一持続性の決定とそれに伴う以下のリストの活用は、それぞれの国、又は経営単位に特定して行わなければならないということである。

T 国レベルでの持続性

1 森林資源

・包括的土地利用計画及び永久林(PFE)の規定

・国家目的及び目標に関連したPFEの在面積

・人工造林目標、現在の齢級構成、年間造林体制

PFEの中の保護林と生産林の面積

・保護地域網の代表性と現在のあるいは計画された保全計画

2 継続的な生産

・過去の林産物全国生産統計

・過去の伐採(面積)の歴史の記録

・主要森林型に関し提案されている伐採サイクルの長さ及び標準的な伐採権付与期間

・決定された伐採サイクル及び生産林の純面積に関連した初期伐採率の規定

・生長量データ及び生産林の純面積に関連した次期伐採の規定

・初期及び伐採サイクルを調整する。

・初期及び次期の伐採サイクルヘの移行を管理する処置

・種々の資源からの過去からの木材生産目標

・主要森林型に対する育林施業法の有効性

3 環境的管理の水準

PFE内の非生産地域に対する経営規定

・生産林に関する土木、流域保全並びにその他の環境に関する経営規定の有効性

・環境影響評価手続きの有効性

4 社会・経済効果

・雇用形態及び傾向

・収入確保及び配分形態

・国家収入と森林経営のための支出予算

・環境影響評価手続きの存在

5 制度的枠組み

・国家森林政策の存在

ITTOガイドラインと国家政策との関連性

・国家森林政策及び経営計画を実施するための法律的枠組みの適切性

・伐採権契約等特別の処置を実行し、収穫を規制するための適切性

・森林の持続的経営における法律的、実効的な責任に見合う人的、資金的資源の適切性

・地域社会との対話・経営計画及びそれらの実施に関する規定の存在

U 森林経営区画レベルの持続性

1 資源保障

・林地または、森林経営区画が、法的に確立しているか

・経営計画があるか

・土地の境界が確定しているか

・違法開発や侵入があるかないか

・伐採権契約の期間がどうか

2 継続的な木材生産

・明確かつ公的な収穫規定があるか

・長期にわたる土壌生産性がどうか

・伐採前の林分調査をしているか

ha当たりの収穫本数、及び収穫量

・伐採後の残存蓄積のモニタリングの規定があるか

・経年の年間生産量の記録があるか

・生産用の純面積がどうなっているか

・経年の伐採面積の記録があるか

3 植物相と動物群の保全

・伐採権付与地域または森林経営区画のエコシステムの保護

・伐採後の植生の撹乱の程度

4 環境への影響の許容範囲

・土壌の撹乱の程度

・河岸及び水源保護地域の範囲と空間的な分布

・土壌侵食の範囲と侵食の程度

・水質の保護の規定

5 社会経済的便益

・雇用数

・林業活動からの便益の生活と程度

6 計画及び経験への調整

・地域との協議

・伝統的な森林利用を考慮した森林経営のための取り決め