水害防備林 太田川

広島県西部を流れる1級河川で、延長103km、流域面積1710km2
山口県と島根県境に近い標高1339メートルの冠山を水源とし、東流して広島市安佐北区で三篠川と合流。南流して旧太田川を分流し、計5ヵ所の河口から広島湾に注ぐ。河口部の広島市街地では5河川に分流、大三角州をつくる。

 洪水の多い川で、元安川・京橋川分流点に建設された一本木鼻の水制は有名。江戸時代の治水事業は、河川で囲まれる島の周囲に堤防を築き城側の堤防を9寸(約0.3m)から8尺(約2.4m)程度高くするやり方で、城側を洪水被害から守る水越の策、土砂の堆積を防止する川掘り、水量を安定的に分散させるための島(三角州)の最上流端への水制の設置、流水を抑制するための河岸部への水制の設置、御建藪(おたてやぶ)、御留藪(おとめやぶ)という水害防御用の植林等が行われました。
水量を安定的に分散させるための島(三角州)の最上流端への水制




よく見ると石積みがあります。

広島市役所 安佐南区役所周辺
この辺は、太田川との合流近くで、洪水多発地域。かつては、山も禿げ山であったため、大量の土砂が河床を上げていて、天井川の感じがしました。


安川(奥畑川と大塚川が合流)


一部残っている堤防強化のための竹林(中筋駅近く)






残念ながら、管理不十分で手入れはなされていませんでした。


古い時代の堤防跡でしょうか。ちょっとした垣根ですが、これでも無いよりはましだったのでしょう。安佐南区役所の散策マップ~安川ルート~では、二重にして家を守ったとありますので、最後の砦だったのかな。となると、右側は洪水時には遊水地扱い。家を建てるなんて何を考えているのやら。






堤防強化に植えられていたであろう木の残り。

ここのどこかに、「万歳土手」という土手があるそうです。自分じゃ無い集落の堤防が壊れると、土手に登って万歳と叫んだそうです。壊れた土手の集落の人は地獄ですが、それ以外は被害も無いため、大喜び。生きるか死ぬかではありませんが、非情なのですね。
場所によっては、壊しに行ったりしたそうですから。

支流の三篠(みささ)川

穏やかに見える川なんでしょうが、増水時はすごいことになるんでしょうね。






何気ない道路沿いの竹林。でも存在する理由があるんです。



理由も無く竹があるのではありません。

川の反対川から見た竹林

竹林の断面です。かつての名残というところでしょうか。

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