CDM

(2004年までのまとめ)
1997年のCOP3で採択されたのが京都議定書(第3回気候変動枠組条約締約国会議)のこと
正式名称は、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書(英 Kyoto Protocol to the United Nations Framework Convention on Climate Change)
2008〜12年までに、先進国全体で1990年レベルの5.2%の削減
日本は6%の削減が約束

達成に向けた国内対策に補足的なモノとして京都メカニズムの中で、途上国が参画する唯一の方策としてCDMが位置づけられた。

2001年にモロッコでのCOP7で、京都議定書との基本的運用ルールとしてマラケシュ合意が採択

排出権CDMについての運用ルールは確立
吸収源CDMについては意見まとまらず

吸収源CDMについてはCOP9にてルールの確立ということで合意

付属書I国

京都議定書ポイント)
○先進国の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数値目標を各国毎に設定。

○国際的に協調して、目標を達成するための仕組みを導入(排出量取引、クリーン開発メカニズム、共同実施など)

○途上国に対しては、数値目標などの新たな義務は導入せず。

○数値目標
対象ガス : 二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、PFC、SF6
吸 収 源 : 森林等の吸収源による温室効果ガス吸収量を算入
基 準 年 : 1990年 (HFC、PFC、SF6 は、1995年としてもよい)
目標期間 : 2008年から2012年
目    標 : 各国毎の目標→日本△6%、米国△7%、EU△8%等。
 先進国全体で少なくとも5%削減を目指す。
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クリーン開発メカニズム
クリーンカイハツメカニズム 【英】Clean Development Mechanism [略]CDM
解説 |
京都議定書に規定される柔軟性措置のひとつ。京都議定書第12条に定められ、「京都サプライズ」といわれる革新的な手法。同じく柔軟措置のひとつである「共同実施」に似ているが、発展途上国(非付属書I国)におけるプロジェクト投資を管理するものである。なお、同議定書には「排出量取引」「共同実施」と合わせて、3つの柔軟性措置が規定されている。
具体的には、先進国と途上国が共同で温室効果ガス削減プロジェクトを途上国において実施し、そこで生じた削減分の一部を先進国がクレジットとして得て、自国の削減に充当できる仕組み。なお、このとき先進国が得られる削減相当量を「認証排出削減量(CERs)」という。
具体的なルール作りが難航したが、2001年11月にモロッコのマラケシュで開催されたCOP7で、運用に関するルールが決められた(マラケシュ合意)。

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附属書I国
フゾクショイチコク 【英】Annex I Parties
解説 |
気候変動枠組条約(FCCC)で規定される附属書II締約国(OECD)+移行期経済国(旧ソ連、東欧諸国)のことで、温室効果ガスの削減やさまざまな報告の義務を負う。
京都議定書の発効には、気候変動枠組条約締約国のうち55カ国以上の批准、及び締結した附属書I国の1990年における二酸化炭素の排出量の合計が全附属書I国の1990年の二酸化炭素(他の温室効果ガスの二酸化炭素換算量を含む)の総排出量の55%以上を占めることが必要である。

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非附属書I国
ヒフゾクショイチコク 【英】Non-Annex I Parties
解説 |
気候変動枠組条約(FCCC)の附属書に記載されない国(途上国)のこと。これらの国は温室効果ガスの削減努力や報告義務が免除されている。
途上国はいわゆるG77+中国(途上国グループ)として国連の場で対先進国グループとしてふるまうことがあるが、気候変動枠組条約の国際交渉においては、当初産油国を除いてグリーングループとして活動した一方で、その後は利害を異にするいくつかのグループとして発言することが多い。
これらのグループには次のようなものがある。(1)AOSIS(小島嶼国連合):カリブ海、南太平洋、インド洋などの島国で海面上昇やハリケーンの巨大化など地球温暖化の影響を最も深刻に受ける国々のグループ。(2)OPEC:産油国(サウジアラビア、クウェートなど)グループ。各国が温暖化防止に取り組むと石油の消費量が減少し、石油輸出量の減少と価格の低下によって、自国の収入が減少する事を危惧し、温暖化防止に一貫して反対。(3)アフリカ諸国:経済的に貧しい国が多く、温暖化による砂漠化の加速、食料生産の減少など、影響を受けやすく、また対応能力も低い。

EU慎重派の意見
排出量を抑えるべきで初期投資金額が少なくてすむ吸収源CDMは安易な考え
大面積大規模一斉造林の場合は、環境へのマイナス影響がある(外来種の侵入や遺伝子組み換え樹木の導入)

吸収源CDMのルール
【新規植林】過去50年間森林でなかったところを森林にすること
【再植林】1989年末以来森林でない土地を森林にすること

森林の定義は多年生の植物 2次木部形成層を持っている植物
ケナフといった草本類はダメ。タケ・ヤシも同様
ただし、石油といった化石燃料の代わりとしてのバイオマス利用はOK

CDM理事会への報告は
最低樹冠率 10〜30%
最低面積 0.05〜1.0ha
最低樹高 2〜5m
の3つのパラメーターは必須


複数の分散した植林地をまとめて1つのプロジェクトにすることをbundlingという。これはOK
逆に一つのプロジェクトを分割(de-bundling)して小規模CDMにすることはダメ
吸収量の計測方法
(純人為的吸収量)=(事業活動による純吸収量)−(ベースライン純吸収量)−(リーケージ)

純人為的吸収量:発行されるクレジット量のベースとなるモノ
事業活動による純吸収量:事業に起因する炭素量の変化−事業に起因する排出の増加
ベースライン純吸収量:事業がない場合の炭素蓄積の変化
リーケージ:事業の境界外における事業に起因する排出量の増加
ベースラインとは、吸収源CDMプロジェクトが実施されなかった場合に、起こったであろう炭素蓄積の変化を表すシナリオと定義されています。ベースラインは、後にプロジェクトによる実際の吸収量を確定する際に重要な比較点ですので、その設定は理論性と透明性が必要とされています。

 例えば、現在放棄された草地があるとします。事業者がこの場所でプロジェクトを行う場合に、ベースラインを設定しますが、吸収源CDMプロジェクトが行われていなければ、この土地は自然に回復し、「森林になっていたのか?」「低木林になっていたのか?」「草地のままだったのか?」など、オプションはいろいろあります。これらのオプションの中から、もっとも論理性・透明性があり妥当と考えられるシナリオをベースラインとして選択する必要があります。

(a) ベースライン純吸収量

 ベースラインにおける吸収量は、「ベースライン純吸収量」と呼ばれ具体的な設定は、下記の項目を考慮して設定します。

* アプローチ、前提、方法論、パラメータ、データソース、追加性などの選択に関して不確実性を考慮し、透明性があり保守的な方法で設定する。
* 個別のプロジェクトベースで設定する。
* 歴史的な土地利用、慣習、経済動向、国策、セクター別の政策などを考慮し、設定する。

(b) ベースラインアプローチ

 事業者は、ベースライン方法論を選択する際に、プロジェクト活動に最も適していると考えられるアプローチを次の3つから選択する必要があります。

* 既存の実質的な、あるいは過去の、炭素蓄積の変化。
* 投資に対する障害を考慮して、経済的に魅力的な活動を反映した、炭素蓄積の変化。
* プロジェクト開始時に最も起こりうる可能性の高い土地利用を反映した、炭素蓄積の変化。

(c) ベースライン方法論

 ベースラインの設定(モニタリング計画も同様)は、ある一定の条件下(プロジェクトタイプ、生態系、樹種など)で、ベースラインの設定方法を説明した「方法論」に基づいて行うこととなっています。この方法論は、事業者(またはコンサルタント等)により作成されたものをAR ワーキンググループ(新規植林・再植林ワーキンググループ、CDM理事会の下部組織)と一部のメソドロジーパネルのメンバーが評価します。ARワーキンググループは、CDM理事会に対して提案された方法論を承認すべきか否かを提案します。その後CDM理事会が最終的な評価を行い、妥当と判断した場合に承認済み方法論として登録されます。

 事業者はこの承認済み方法論を使用してベースラインを設定することになります。また、承認済み方法論が存在しない場合は、新しい方法論をPDDと共にCDM理事会に提出し、承認してもらう必要があります。


リーケージ

 リーケージは、吸収源CDMのプロジェクトバウンダリー外の、プロジェクトに起因する排出の増加と定義されており、最終的なプロジェクトによる吸収量を推定する上で必要になる項目です。リーケージの例としては、ある場所においてプロジェクトを行った結果、その土地を利用していた住民が他の場所で伐採などをして、プロジェクトバウンダリー外で温室効果ガスの排出が起こる場合などが考えられます。

 また、吸収源CDMプロジェクトの設計は、リーケージを最小限に抑えるようにすることが求められています。


http://www-cger.nies.go.jp/cger-j/db/enterprise/gwdb/sei/sei03/sei0303.htm
除外対象
純人為的吸収量が増加しないのであれば”事業活動による純吸収量”および”ベースライン純吸収量”の計測に際して、複数の炭素プールや他の温室効果ガスの排出(CH,NO)を計測しなくても良い。


非永続性
吸収源CDMには、「非永続性」と「長期性」がある。
非永続性とは、炭素を九州・固定しいたという効果が伐採や山火事、台風といった自然災害等によって永続しないというリスクがあるということ。
長期性とは、吸収源事業による生態系へのサービスという面があるということ。
クレジットには、5年ごとに発行するtCER(temporary CER)と事業期間内は担保の森林があれば失効しないlCER(long-term CER)のどちらかを選択することが出来る。

CER(Certified Emisson Reduction:排出権CDMにより生じたクレジット)
ERU(Emission Reduction Unit:国内吸収源活動により生じたクレジット)
RMU(Removal Unit:共同実施によって生じたクレジット)
AAU(Assigned Amount Unit:各付属書I国が数値目標に基づき発行した排出枠)


★クレジットの有効期限と再発行
@tCER
◆発行された次の約束期間末で全量失効
◆他のクレジットによる補填が必要
◆発生可能期間内は、炭素蓄積量に応じて、全量再発行
◆補填に使えるクレジットは、AAU,ERU,CER,RMUおよびtCER

AlCER
◆炭素蓄積の減少がなければ、クレジット発生可能期間末で失効。
 補填に使えるクレジットはAAU,ERU,CER,RMU
◆炭素蓄積が増加していけば、増加分を発行
◆炭素蓄積が減少していれば、減少分が失効し、(付属書I国)補填
 補填に使えるクレジットはAAU,ERU,CER,RMUおよび同一事業からのlCER。
◆認証報告書が提出されない場合、当該クレジットが失効し、補填
 補填に使えるクレジットは、AAU,ERU,CER,RMUおよび同一事業からのlCER

前提としてクレジットの検証・認証は第1回目に限り事業者が時点を選ぶことが出来る。
それ以降は5年ごとに行われ、発生可能期間=事業期間は、@最大20年で2回更新可能(最長60年間)。A最大30年で更新無し。いずれかの選択可能



tCERとlCERとの違いは、根本的な違いはないけれど
tCERは、担保の炭素蓄積量の増減にかかわらず、すべて次期約束期間末で失効するので、その時点での補填(同じ事業から再発行されたtCERを含めて)が必須。一方のlCERは、補填する時期が、事業者側の管理経営状態に即して、様々となる可能性がある。
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事業期間の終了に伴い、担保の森林が残っていても、強制的にクレジットが失効してしまうことの是非についての議論はあったが、約束期間を重ねていくうちに先進国による吸収源CDM事業地が増加していき、結果として途上国が数値目標を含む削減対策に参加しようとした時には、自分で使える土地がないといった可能性も否定できないことから、今回のルール合意に至った。